夏休みが終われば、あたりまえに学校が始まる。

今日から2学期だ。

まだ授業は始まらないけど、体育館で校長先生の話聞いたりめんどくさいな…
うちの学校の体育館冷房ないからめちゃくちゃ暑いし、つまんないし、休み明けからだる…っ。

久しぶりに袖を通した制服はどこか慣れない気がして、それでもさすがにちゃんと身だしなみを整えて来た朝、昨日のドキドキの余韻もないほどに焦っていた。


しまった、完全にタイミング逃した。

始業式嫌だなーって思ってたらクラスのみんなもう体育館行っちゃってた。


1人、行くの忘れてた。


いや、忘れてたわけじゃないんだけど知ってたんだけどわかってたんだけどみんなが行ったの気付かなかったっていうか、昨日のこと思い返してたらそわそわしちゃって…。

そんなこと考えてたら、誰にも声掛けられず置いてかれた…ていうのが正解なんだけど。

おかげで昨日のことは今どーでもいい。


「………。」


うーーーわーーーー…

どうしよ!?

まだ始業式始まってはないけど、今から1人で体育館入っていくの目立つよね?

後ろから入ったとしても、あいつどうしたんだ?みたいになるよね!?

これはもういっそサボろうかな…!?


「灯璃?」


体育館の扉の前でウロウロする私に聞き覚えのある声が飛び込んで来た。

だけどこんなとこで聞くのは不慣れで、まるでスローモーションのように振り返ってしまった。

「……奏くん?」

「あ、やっぱ灯璃だ!」

「奏くんどうして!?」

2回瞬きをする、やっぱり奏くんで制服姿の奏くんが目の前にいた。