「灯璃、プレゼントありがとう」

ギターを置いて奏くんが立ち上がった。
立ち上がると一気に私より背が高くなるから、なんだかドキドキしてしまう。

「灯璃ともしたかったな、クリスマス会」

にこって奏くんが微笑んで、ドキッと聞こえる胸の音を抑えながら目を合わせる。

「私も!来年は一緒にやろうね!」

そしたら真っ直ぐ視線が重なって、さらにドキドキする音が大きくなった。

「ねぇ、灯璃」

「何?」

「灯璃って好きな人いるの?」

「えっ!?」

それは私の予想外で、そんな直球に聞かれるとは思ってなかったから変な声まで出ちゃった恥ずかしい。

えっと、なんて答えたら…

こう聞かれた時の返し方は…

「そ、奏くんは…」

弱弱しい声で変に上目遣い利かしちゃって全然上手く話せない私に奏くんは真っ直ぐ答えた。


「灯璃」


一瞬で顔が熱くなった。

バクバクと響く心臓の音が苦しい。



「灯璃が好きだよ」



心臓が飛び出そうだ。


「あ、わ、私もっ」


その瞬間、目の前が真っ暗になって一瞬何が起こったのかわからないぐらい…



奏くんしか見えなかったから。


見上げる私に奏くんが近付いたから。




そぉっと触れた唇に感じた奏くんの体温。




飛び出しそうになった心臓もびっくりして戻っていっちゃうよ。


ドキドキとする胸の音もわからない、それくらい夢中で。






奏くんが好き。

好きだよ、奏くん。