私が奏くんにしてあげられることって何だろう?





「奏くん!おはよう!」

「あ、おはよう灯璃」

「早いね」

「うん、楽しみ過ぎて早く来ちゃった」

「今日ただの部活だよ?」

くすくすと笑いながら部室の中に入った。

冬休みが始まって今日で…えっと3日目だっけ?昨日がクリスマスだったからたぶんそう!

冬休みに部活は初めてのことで私もちょっとだけワクワクしてた。


だってこうして奏くんに会えるんだから。


「奏くん、クリスマス会楽しかった?折原さん家の!」

「うん、楽しかったよ。藍のおじさんが張り切ってサンタの格好してさ、俺も藍ももうそんな歳じゃないのに」

パイプ椅子に座ってギターのチューニングをしながら奏くんが笑ってた。クリスマス会のことを思い出して、そんなに楽しかったのかな。

「よかったね!」

そんな顔見たら私も伝染しちゃうな。

「うん、…ありがとう」

そんなにこやかに笑う奏くん見てたら。

「あ、そうだ!あのね!」

着て来たコートを脱いでスクールバッグの中から紙袋を取り出した。

緑と赤のキラキラした紙袋は明らかにあの日を思い出させる、もう昨日で終わっちゃったあの日の。

「これクリスマスプレゼント…!」

本当は買っていたけど過ぎてしまった。

「まだ渡してなかったから!」

奏くんがちょっとだけ目を開いて丸くした。

私からもらえる展開思ってなかったんだろうな、確かにそんな素振りは見せてなかったけど!