「あ、つーか藍ちゃんたちもいないって藍ママめっちゃ怒ってたよ」

奏くんに抱き着いたままの駿ちゃん先輩が折原さんの方をくるんっと顔だけ向けた。

「あ、そうだ!どうしよ…何も言わず来ちゃったからっ」

「え、私も含まれてます!?」

やばっ!
絶対ここにいるようにって言われてたのに…!
確実に私も同罪に含まれてるっ 

てゆーかずっとスマホ見てなかったけどうちのお母さんからもめっちゃ着信来てる!

やばい、これはめちゃくちゃ怒られるやつだ…!

「ふっ」


「「え?」」


明らかに血相を変える私たちを見て奏くんが笑った。

ここは全然笑うとこでは…っ


「ありがとう、みんな。俺のために」


「「「……。」」」


まだ抱き着いたままの駿ちゃん先輩がさらにぎゅっと力を入れた。

「本当だよ!もう絶対こんなことすんなよ!しても絶対探しに行くからな!そんで見付けてやるからな!!」

「駿二先輩は後から来てますけどね、もう全部終わった後に」

「藍ちゃん!俺だって必死に探してたんだよ!?つーか誰か電話出てくれよ!!」

みんなで怒られればいっかって帰った。

もちろん引くぐらい怒られたけど。

でもそれだけ怒ってくれるってことは、それだけ大切ってことだからね。


大切に思われてるんだよ。