「折原さん、おはよう」

「おはよう」

校門の前、反対側から歩いて来た折原さんに会った。

だけど、隣に奏くんはいなくって。

どうしてかなって顔をしてしまった私に折原さんが答えた。

「ずっと1人で登校してるのよ」

「え、そうなの?」

部活帰りも一緒に帰って行くのをよく見ていたし、てっきり朝も一緒なんだと思ってた。
だって同じ家から来るんだもん、必然的に家を出る時間も同じになるかなって。

折原さんの隣に並んで校門をくぐり、校舎まで歩く。話すたびに白い息が漏れた。

「早く学校行ってるみたいよ、奏。夜遅くまでバイトしてるし、最近あまり会ってないの」

「そーなんだ…、早く学校行って何してるの?奏くん」

「さぁ、聞いても教えてくれないから」

ふーん…、そうなんだ。
朝早く学校に来て何してるのかな。

学校に朝早く来てすることと言えばなんだろう…