「クリスマスは稼ぎ時なんだよね、クリスマスケーキはもちろんチキンとかもいっぱい出るし人手は多い方がいいんだよ」

それは、きっとそうなんだろうけど…
もうすでにこんなに働いてるのにまだまだ働くんだ。てことは部活で会うこともないのかなって思うと、寂しいんだけどな。

そんなに必死に働いて何がしたいのかな。


そこまでして奏くんが手に入れたいものって何だろう…?



あ!そうか、クリスマス!!!それかっ!!



もしかしてプレゼント…!?


…折原さんがに?


それとも他の誰かに?



誰のためのプレゼントを…?



「灯璃は?」

「え?」

「クリスマス。何かするの?」

「私は…特に何も、ないかな。うちはみんなでパーティーとかないから、子供の頃はプレゼントもらってたけどもうそんな歳じゃないしね」

そんなの遠い昔で気付いてたらなくなってた。それがどうとか今更何も思わないんだけど。

「普通にケーキくらいは食べるかもしれないかな」

コンテナを片付け終わった奏くんが台車のハンドル部分に手を置いた。

「じゃあ俺が灯璃にプレゼントあげる」

パチッと目が合った。

真っ直ぐ奏くんが私を見つめたから。


それって、もしかして…

そこまでして奏くんが手に入れたいものって…


プレゼントをあげる相手ってもしかして私―…!?