告白か…

考えたことなかった。
生涯一度も好きな男の子に好きだなんて言ったことないもん。

てゆーか私って今まで好きな人いたっけ?

それすらも怪しい私が奏くんに告白…

でもそうだよね、好きになっちゃったんだもんね。そしたら好きって伝えるべきなのかもしれないけど…そんな勇気、私の中のどこにあるかもわかんないのに。

「世間はクリスマスなのにね」

学校帰り、ケーキ屋さんの前を通ったら“クリスマスケーキ予約中!”のポスターが目に入った。

キラキラした文面に目を細めたくなる。

こんな浮かれた世の中なんだよね、ただ寒いだけの世界じゃないんだよ。

もうすぐクリスマスかぁ…折原さん家はみんなでパーティーって言ってたから奏くんも一緒にパーティーするのかな。

路上ライブも部活もなければ会うことがなくて、一瞬会える部活も会話をする時間だってない。

しかも先輩だし、2年生の教室に行くことなんかないもん。バ先も知らないし、どこでしてるのかな…

「ん?」

コートのポケットに入れていたスマホが振動した。たぶんこの短さはLINE、誰かなと思って開くと…

「お母さんだ!スーパーで牛乳買って来てってお遣いだし!」

もうスーパー通り過ぎちゃったんだけど!

はぁっと息を吐いてからくるっと方向転換をしてさっき前を通ったスーパーまで戻った。

これが奏くんのところだったら喜んで行くんだけど…