「望月さんは奏に好きって言わないの?」

突然の折原さんの言葉にわっかりやすくフリーズしちゃった。

「………。」

え、聞く?今のこタイミングで聞く??

結局早めに切り上げることになった部活、一緒に下駄箱までやって来た。

履き替えるスニーカーに手を置いたところでもれなくハッキリと聞かれたから。

「好きなんでしょ、奏のこと」

「えっ!?あ…っ、えっと………わかりましたか?」

「なんで急に敬語なの?」

そんなストレートに問われるとは思ってなくて…委縮しちゃった。

しかも折原さんに聞かれるとは。

てかバレてたんだ…!恥ずかしい…っ!!

「そんな顔しないでよ、別に責めてるわけじゃないんだから」

「あ、そんな風には!思ってないから…というか、私なんかが告白しても」

スニーカーを掴もうとした手はスニーカーを掴むことなく戻した。


正直、告白なんて考えたことなかったから。


そんな勇気あるわけないし、私が好き…って言っていいのかもどうなんだろうって感じで。

「ふーん…じゃあ私まだ諦めなくていいのかな」

「えッ!?」

「嘘よ」

文化祭が終わって少し経った頃、折原さんが教えてくれた。



奏くんとのこと。



なんて声をかけたらいいのかわからなくて、そうなんだ…としか言えなかった。