涙が溢れそうだった。

あんなに必死に堪えて、絶対泣かないようにしようって思ってたのに。

こんな歌聞かされたら…



ずっと奏を見て来た。


小さな頃からずっと。



私はいつでも思い出せるよ。


忘れたことなんかないよ。


昨日のことみたいに、覚えてる。



奏とひまわり畑で交わした約束を。



でもあれは幼かった私たちの大人をマネた約束でしかないの。


奏は1人じゃないよ、私がいるよって…



でも本当はね、ただ好きだっただけなの。


奏のことがずっとずっと好きだっただけなの。



気付けばポロポロと涙が零れていた。それは止まることを知らず、必死に声を殺すことしか出来なくて。

前が向けない。

あんな楽しそうにギターを弾いてる奏を見るの
がこんなに苦しいなんて。


目の当たりにして痛感した。



奏が自分で見つけた居場所は、奏が作り上げた世界は、とっても煌めいてる。


そんな世界を見られて嬉しい。


奏が笑っていられる世界に出会えたことが嬉しい。



でも奏の世界にいる女の子は私じゃない。


隣にいるのは私じゃない。



私じゃないんだ。