どうぞ、と7種類の推し色ソーダの絵が描いてあるメニューを渡した。

「推し色って何?」

「推しのイメージカラーとかメンバーカラーみたいなのですね」

「ふーん…でも俺これといって推しいない」

うーんとメニューを見ながら考えている、確かに私も推しっていないから推し色って言われたら悩むかもしれない。

「じゃあ駿二先輩のイメージカラーで選んでみたらどうですか?」

「俺の?」

「はい、そうですね駿二先輩は…いつも元気で、とにかく元気で」

「元気ばっかじゃん俺!」

「周りを明るくしてくれるオレンジって感じですね!」

大きな声はみんなを明るい気持ちにさせてくれる、大きなリアクションはみんなを楽しい気持ちにしてくれる、そんな駿二先輩をイメージしたら太陽みたいなオレンジ色が浮かんで来た。

「あとさりげなく困ってる時助けてくれるじゃないですか」

それと、優しいとこもあるから。

「それは藍ちゃんにだけなんだけどな」

「え?なんか言いました?騒がしいから聞こえなくて」

「ううん!でもそれだと俺、自分で自分のこと推してるみたいにならない??自分の推し色飲むって…」

パチッと駿二先輩と目を合わせる。

そっか、その理論だと自分推しってことに…

「あ、本当ですね」

そう思ったら笑えて来てしまって、くすくすと笑いが止まらなかった。

こうやって笑うのも久しぶりかもしれない、動く頬に懐かしさを感じた。

「よし、自分推すわ!オレンジで!」

「わかりました、じゃああちらでお待ちください」