「あれ、今日は来てないの…!?」

あの日から1週間連続で奏くんと会っていたから、今日もいるものだと思ってた。

でもいつものベンチには誰もいなくて特に来た形跡もなさそうだった。

「…そんな日も、あるか」

毎日来よって言ってたから来るものだと思っちゃってた。
それがあたりまえみたいになっちゃってたし…まぁそれは別にいいんだけど、だって他に用があったかもしれないし奏くんだってすることあるだろうから。

だけど…

「ガリガリ君2つ買っちゃったのどーしよ…」

いつもアイスを食べるのが決まりみたいになってたからなぁ、今日も奏くんの分まで買ってしまった。

貴重なガリガリ君2個…

「自分で食べるか!」

仕方ない、どっちも食べちゃおうか。

1つめのガリガリ君の袋を開けながらベンチに腰かけた、もしかして今日は遅れてるのかもってそんな淡い期待を抱いて。

一口かじって、ベンチの背もたれにもたれかかって空を見上げた。

今日は星がいっぱい見える、明日は晴れるなー。
てかずっと晴れ続きだけど。明日も晴か。

最近は天気予報が気になって、ついつい日々確認してしまう。

どうして?って聞かれたら…


それはこうして夜にコンビニまでアイスを買いに行けるから。


この時間が私の1番大好きな時間なの。


二口めのアイスをかじった。

「…やっぱ2つもいらないかも」

ふと目を閉じれば奏くんのギターの音が聴こえて来そうな、ここに座ってたらそんな気さえする。

渡された楽譜、持って来たんだけどな。

いつも短パンのポケットにスマホだけを持っていたけど、今日はもらった楽譜の入ったクリアファイルをトートバッグに入れて持って来た。

でも、まだ歌詞は書けていない。

「何書いたらいいかわかんないし…」

初めてだもん、あんなこと言われたの。

歌詞だって書いたことないし、音楽人生歩んで来たわけでもないし。

それに…