やっとやって来た文化祭、毎日このために精を出して取り組んで来た。

今日の目標はたくさんカラフルソーダを売ること、完売目指してがんばっていこう。

「藍、似合うじゃん!」

「…スカート短くない?」

「藍背高いからね、必然とそうなっちゃうよね」

カラフル喫茶、もちろん喫茶店。
売るものはカラフルだから衣装はシックな黒にしようと、ウェイターさん風な衣装になった。

髪を一つに束ねて、シャツにネクタイ、ベストを着て、そしてタイトなスカート…が私には少し短くて。

「しなのぐらいの身長がよかった」

「私でも高い方だけど、藍のがだいぶ高いから」

みんな膝ぐらいなのに私だけ膝上な気がする、それは少し気になる。

「その点、ともりんは小さくて可愛いよね!」

私よりたぶん15センチ以上小さい望月さんは膝より下のスカートで、着ているとうか着させられているようにも見える。

「私はしなのちゃんや折原さんの方が羨ましいよ、着こなしカッコいいもん」

「ないものねだりだよね~!あ、私チラシ配りに行って来るね!」

数枚のチラシを持ったしなのが廊下を抜けて走って行く。

カラフル喫茶はイートインも可能だし、テイクアウトもOKで、朝から思ったよりも人が来ていた。

この時間の私の担当は手持ち看板を持ちながら人の呼び込み、しなのがチラシを配りに行ってしまったから望月さんと2人…


人が賑わう廊下で、2人。
隣に並んで。


呼び込みをすればいいんだから、特に話すようなことはしなくてもいいのはわかってる。