「ただいま~」

「藍、おかえり」

自宅の玄関のドアを開けるとちょうど奏が階段から降りて来た。我が家は玄関の目の前に階段があって、2階にそれぞれ私と奏の部屋がある。

「今日遅かったね、部活も来なかったし」

「もうすぐ文化祭でしょ、クラスの仕事任されちゃって」

「そっか」

「うん、だからこれから行けない日が…増えるかもしれないの」

これは本当、嘘じゃない。

思ったよりも予算案を出すのは大変で、これからまだ文化祭のパンフレットに載せる紹介文とか必要な物資についてとか思ってたよりも文化祭実行委員は仕事が多かった。

「明日久野先生来る日だよ」

「そうだよね!行けたら…行きたいなって思うけど」

「藍いないと久野先生が寂しがるよ」

「そうだね、話し相手が欲しいもんね」

私が笑えば奏も笑って、いつも通りの空間だった。ふわふわとまったりした空気が流れて、それは昔から変わらない。

「もうすぐ夕ご飯だって」

ローファーを脱いでスリッパに履き替えて、そのまま階段を上ろうと一段上に足を置いた。

「うん、わかった。じゃあ着替えたらすぐ行くから」

パタパタと音をさせながら階段を上る。

部活も…行かなくちゃ、でも正式に部に入ってない私はクラスの仕事の方が大きい。

それは別にいいんだけど、軽音部のことは家で出来るも多いし合同練習の録音ぐらい私じゃなくても誰でも出来るし…ね。

今は文化祭で頼まれたことをちゃんと出来るようにしよう、まずは…