この世には、人の命を脅かすあやかしという超常的な力を揮うものが存在する。

古き時代、人々は彼らを恐れて逃げ惑うばかりだった。しかしある時、人はあやかしとの協定に調印する。それ以降、人は人の里で、あやかしはあやかしの住まいで暮らすことになり、殺生はなくなった。ただし、条件があった。領域を超えて侵入するものがあれば、それは神から与えられた力で滅しても良い、と。その力を人は破妖の力を呼び、破妖の力を持つ人は、人々の集落――邑――毎に雇われるようになり、人の生活圏を守り続けてきた。そして破妖の人々は、邑の生活を守る代わりに、邑の人から感謝されるようになっていった。