「私は奏多くんが……『破滅の創世』様が大好きです」
結愛は知っている。
そんな素敵な想いが、最期までこの胸に寄り添う理由を。
「だから、この世界で奏多くんと一緒にずっとずっと生きていきたいです! 奏多くんと同じ光景を――明日に繋がる未来を見たいから!」
結愛が示したのは希望という名の確固たる意思。決して変わることのない願いだった。
「本当の本気の本物の最大級の願い事です!」
「ゆ……結愛……」
そう懇願した結愛と戸惑う奏多の視線が再び、交差する。
「……奏多くん……、生まれなかった方が良かったなんて言わないでください……。あなたがこの世界にいなきゃ、嫌です! あなたが傍にいなきゃ、嫌です!」
言葉は、言葉にすぎない。
約束なんて言葉は特に曖昧で、時としてたやすく霧散してしまう。
それでも二人で歩む未来はこれからも続いていくと、甘く確かな約束を求めて。
「だから、お願いします。奏多くん、あの時、私と交わした約束を信じてください!」
そう言う結愛の目には光るものが浮かんでいた。
何を信じるなんて……そんなの……。
大切な人が覚悟を決めて、自分を切望する。その独占じみた想いに、奏多の胸が強く脈打った。
そんなの決まっているだろ……!
全てを包み込むような温かな光景は、張り詰めていた奏多の心を優しく解きほぐす。
その時、心中で無機質な声が木霊した。
『約束など不要なものだ。愚者の理解などいらぬ』
人は、永遠ではない。
そんなことは分かり切っていることなのだけど。
それでも。
それでも――
「どんなことがあっても、俺は結愛と交わした約束を『信じている』」
言葉は所詮、言葉だ。音の波は空気に触れれば溶けていく。
それでも奏多はここで終わらせたくない。
そう強く願った瞬間の想いはいまだ胸の内でくすぶっている。
熾火のように燃え尽きず、赤々と熱するままに己を昂らせていた。
「ずっと傍にいるって約束したからな」
「ふふ、言いましたね、約束の力は無限大ですよ!」
ありふれた何気ない日常こそが救いなのだと他の誰でもない奏多と結愛だけが知っている。
二人でいれば、世界はどこまでも光で満ちていた。
「生まれなかった方が良かった……そんなわけねぇだろう……!」
そう言って、歩み寄った慧は奏多の頭を撫でる。
「もう失うのは嫌なんだ……。蒼真(そうま)に傍にいてほしい」
「蒼真……?」
奏多が目を瞬かせると、慧は照れくさそうにほんのりと頬を赤くした。
それは知らない人の名前。
奏多は慧が発した言葉の意味を理解できない。
これからどうすればいいのか、確固たる解答もまだ出ていない。
でも――何故か、懐かしい響きがした。
結愛は知っている。
そんな素敵な想いが、最期までこの胸に寄り添う理由を。
「だから、この世界で奏多くんと一緒にずっとずっと生きていきたいです! 奏多くんと同じ光景を――明日に繋がる未来を見たいから!」
結愛が示したのは希望という名の確固たる意思。決して変わることのない願いだった。
「本当の本気の本物の最大級の願い事です!」
「ゆ……結愛……」
そう懇願した結愛と戸惑う奏多の視線が再び、交差する。
「……奏多くん……、生まれなかった方が良かったなんて言わないでください……。あなたがこの世界にいなきゃ、嫌です! あなたが傍にいなきゃ、嫌です!」
言葉は、言葉にすぎない。
約束なんて言葉は特に曖昧で、時としてたやすく霧散してしまう。
それでも二人で歩む未来はこれからも続いていくと、甘く確かな約束を求めて。
「だから、お願いします。奏多くん、あの時、私と交わした約束を信じてください!」
そう言う結愛の目には光るものが浮かんでいた。
何を信じるなんて……そんなの……。
大切な人が覚悟を決めて、自分を切望する。その独占じみた想いに、奏多の胸が強く脈打った。
そんなの決まっているだろ……!
全てを包み込むような温かな光景は、張り詰めていた奏多の心を優しく解きほぐす。
その時、心中で無機質な声が木霊した。
『約束など不要なものだ。愚者の理解などいらぬ』
人は、永遠ではない。
そんなことは分かり切っていることなのだけど。
それでも。
それでも――
「どんなことがあっても、俺は結愛と交わした約束を『信じている』」
言葉は所詮、言葉だ。音の波は空気に触れれば溶けていく。
それでも奏多はここで終わらせたくない。
そう強く願った瞬間の想いはいまだ胸の内でくすぶっている。
熾火のように燃え尽きず、赤々と熱するままに己を昂らせていた。
「ずっと傍にいるって約束したからな」
「ふふ、言いましたね、約束の力は無限大ですよ!」
ありふれた何気ない日常こそが救いなのだと他の誰でもない奏多と結愛だけが知っている。
二人でいれば、世界はどこまでも光で満ちていた。
「生まれなかった方が良かった……そんなわけねぇだろう……!」
そう言って、歩み寄った慧は奏多の頭を撫でる。
「もう失うのは嫌なんだ……。蒼真(そうま)に傍にいてほしい」
「蒼真……?」
奏多が目を瞬かせると、慧は照れくさそうにほんのりと頬を赤くした。
それは知らない人の名前。
奏多は慧が発した言葉の意味を理解できない。
これからどうすればいいのか、確固たる解答もまだ出ていない。
でも――何故か、懐かしい響きがした。