「降り注ぐは星の裁き……!」
「ぐっ……!」
その刹那、聖花の配下達へ無数の強大な岩が流星のごとく降り注ぐ。
カードから放たれた無数の強大な岩の弾は彼らを大きく吹き飛ばした。
「今だ、突き進むぞ!」
さらに司を先頭に、『境界線機関』の者達が聖花の配下達の防衛陣を崩しにかかる。
『境界線機関』はこの世界の未来を担う、練度の高い精強な部隊だった。
表向き、一族の者達とは協力関係になっている組織である。
彼らは世界各地で『破滅の創世』の配下達と戦闘を繰り広げている猛者だった。
その部隊の構成員は、一族の冠位の者から軍に所属している者まで様々な面子で成り立っている。
きっと彼らは数多の障害を乗り越えながら、それでもいずれは最上階の部屋へと足を踏み入れるだろう。
「聖花様のところには行かせない!」
だからこそ、奏多達を――『境界線機関』の者達を侮ってはいけない。
これまでの戦績を思えば、その事実は明白である。
そう判断したまどかは行動を開始した。
「サイコキネシス!」
まどかは念力で廊下の隅に積み上げられた荷物や刃物を捉える。
さらにその凶器の数々を次々と操作して、『境界線機関』の者達の死角から打ち込んだ。
さらに手をかざし、倒れ伏せた聖花の配下達の傷を癒したのだ。
「……う……そ……」
まどかが異能力である重力操作の能力と回復能力、二つの能力を使っている。
視界の向こうで展開していた光景は観月の想像を超えていた。
「今のは……もしかして」
「ほええ、驚きです。まどかお姉ちゃんが不思議な能力をたくさん使っているですよ!」
遠巻きから見ていた奏多と結愛も驚愕する。
しかし、司はまどかが異能力を使える理由について心当たりがあった。
「萩野まどか。おまえが重力操作の能力と回復能力を使えているのは冬城聖花の力によるものだな?」
「そうだよ。これは聖花様から授かった力。聖花様の能力は奇跡の魔法でもあるんだよ」
司の鋭い問いに、まどかは小さく笑みをこぼす。
「授かった力……。なるほどな」
その言葉の真意を理解した慧は得心する。
「……慧、どういうこと?」
観月が促したものの、慧はしばらく考えた様子を見せた。
「さて、どう説明したらいいものか」
「授かった力ってどういうこと?」
瞳に強い眼差しを宿した観月は慧を見つめる。
「冬城聖花の能力は相手の能力をコピーする力だ。そして――そのコピーした能力を味方に一時的に与えることもできるってわけさ」
「なっ……!」
何処か吹っ切れたような顔をして言う慧の顔を観月は凝視した。
聖花の能力。相手の能力をコピーすることのできるそれは、あらゆる面で絶対的な強さを発揮する。
さらに、もしコピーした能力を一時的に他者にも付与することができるとしたら――
「まぁ、埒外な能力だな」
慧が苦々しいという顔で語った話に観月は絶句する。
混乱は治まることはなく、むしろ深まっていた。
「ぐっ……!」
その刹那、聖花の配下達へ無数の強大な岩が流星のごとく降り注ぐ。
カードから放たれた無数の強大な岩の弾は彼らを大きく吹き飛ばした。
「今だ、突き進むぞ!」
さらに司を先頭に、『境界線機関』の者達が聖花の配下達の防衛陣を崩しにかかる。
『境界線機関』はこの世界の未来を担う、練度の高い精強な部隊だった。
表向き、一族の者達とは協力関係になっている組織である。
彼らは世界各地で『破滅の創世』の配下達と戦闘を繰り広げている猛者だった。
その部隊の構成員は、一族の冠位の者から軍に所属している者まで様々な面子で成り立っている。
きっと彼らは数多の障害を乗り越えながら、それでもいずれは最上階の部屋へと足を踏み入れるだろう。
「聖花様のところには行かせない!」
だからこそ、奏多達を――『境界線機関』の者達を侮ってはいけない。
これまでの戦績を思えば、その事実は明白である。
そう判断したまどかは行動を開始した。
「サイコキネシス!」
まどかは念力で廊下の隅に積み上げられた荷物や刃物を捉える。
さらにその凶器の数々を次々と操作して、『境界線機関』の者達の死角から打ち込んだ。
さらに手をかざし、倒れ伏せた聖花の配下達の傷を癒したのだ。
「……う……そ……」
まどかが異能力である重力操作の能力と回復能力、二つの能力を使っている。
視界の向こうで展開していた光景は観月の想像を超えていた。
「今のは……もしかして」
「ほええ、驚きです。まどかお姉ちゃんが不思議な能力をたくさん使っているですよ!」
遠巻きから見ていた奏多と結愛も驚愕する。
しかし、司はまどかが異能力を使える理由について心当たりがあった。
「萩野まどか。おまえが重力操作の能力と回復能力を使えているのは冬城聖花の力によるものだな?」
「そうだよ。これは聖花様から授かった力。聖花様の能力は奇跡の魔法でもあるんだよ」
司の鋭い問いに、まどかは小さく笑みをこぼす。
「授かった力……。なるほどな」
その言葉の真意を理解した慧は得心する。
「……慧、どういうこと?」
観月が促したものの、慧はしばらく考えた様子を見せた。
「さて、どう説明したらいいものか」
「授かった力ってどういうこと?」
瞳に強い眼差しを宿した観月は慧を見つめる。
「冬城聖花の能力は相手の能力をコピーする力だ。そして――そのコピーした能力を味方に一時的に与えることもできるってわけさ」
「なっ……!」
何処か吹っ切れたような顔をして言う慧の顔を観月は凝視した。
聖花の能力。相手の能力をコピーすることのできるそれは、あらゆる面で絶対的な強さを発揮する。
さらに、もしコピーした能力を一時的に他者にも付与することができるとしたら――
「まぁ、埒外な能力だな」
慧が苦々しいという顔で語った話に観月は絶句する。
混乱は治まることはなく、むしろ深まっていた。