「悪いが、奏多も結愛もおまえらに渡すつもりはないさ。ここで食い止めさせてもらうぜ!」
そこに慧の銃口から煌めく陽光を斬り裂くように、乾いた音を立てて迫撃砲が放たれる。
七発ほどの弾頭が放物線を描き、すぐに爆音が轟いた。
絶え間ない攻撃の応酬。
だが、肝心のアルリット達は弾が命中する前に全て塵のように消えていった。
それでも、慧達の猛攻が苛烈さを増していく。
「行くぜ、観月。俺達が前に突き進むためにも……力を貸してくれ!」
慧は強い瞳で前を見据える。
それは深い絶望に塗(まみ)れながらも前に進む決意を湛えた眸だった。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「当然ね」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るために、この状況を打開することだ。
そして――。
「おまえ達はどう足掻いても、奏多様をお連れすることはできない」
達を斬り裂く軌道で振るったその重力波は極大に膨れ上がり――それは絶大な威力として示される。
周囲を巻き添えにした重力波だったが、肝心のアルリット達は無傷だ。
「……効いていないのか」
「ほええ、困ったです!」
奏多と結愛が見つめた先には、アルリット達が余裕綽々の立ち振舞いをしていた。
だが、慧達の対応も想定どおりだったというように、ヒューゴ達の表情は変わらない。
「一族の上層部の上部の者で動いているのは、不死のヒューゴだけか。今のところ、他の一族の上層部の上部の者達が派手に動いていないのは、こちらの出方を見計らっているからか」
「……もしかすると、俺達が安全な場所に行くのを待っているのかもしれねえな」
司と慧は瞳に意志を宿す。
『破滅の創世』の配下達と一族の上層部の好き勝手にはさせないと――強い意志を。
決して譲れない想いがあった。
一族の上層部が、緊急脱出装置を使用しようといることといい、何かを急いでいるのは確実だ。
ヒューゴ達と協同戦線、張っているという事実は、如実に一族の上層部に監視されていると考えてもいい。
だが、一族の上層部の最終的な目的が読めない。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
結愛は勇気を振り絞り、カードを使おうとして。
「此ノ里結愛さん。緊急脱出装置の発動には、あなたの協力が必要不可欠です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。
そこに慧の銃口から煌めく陽光を斬り裂くように、乾いた音を立てて迫撃砲が放たれる。
七発ほどの弾頭が放物線を描き、すぐに爆音が轟いた。
絶え間ない攻撃の応酬。
だが、肝心のアルリット達は弾が命中する前に全て塵のように消えていった。
それでも、慧達の猛攻が苛烈さを増していく。
「行くぜ、観月。俺達が前に突き進むためにも……力を貸してくれ!」
慧は強い瞳で前を見据える。
それは深い絶望に塗(まみ)れながらも前に進む決意を湛えた眸だった。
何一つ連中の思いどおりなど、させてやるものかと。
「当然ね」
他に言葉は不要とばかりに、観月は優しい表情を浮かべていた。
二人の誓いはたった一つ。
奏多と結愛を護るために、この状況を打開することだ。
そして――。
「おまえ達はどう足掻いても、奏多様をお連れすることはできない」
達を斬り裂く軌道で振るったその重力波は極大に膨れ上がり――それは絶大な威力として示される。
周囲を巻き添えにした重力波だったが、肝心のアルリット達は無傷だ。
「……効いていないのか」
「ほええ、困ったです!」
奏多と結愛が見つめた先には、アルリット達が余裕綽々の立ち振舞いをしていた。
だが、慧達の対応も想定どおりだったというように、ヒューゴ達の表情は変わらない。
「一族の上層部の上部の者で動いているのは、不死のヒューゴだけか。今のところ、他の一族の上層部の上部の者達が派手に動いていないのは、こちらの出方を見計らっているからか」
「……もしかすると、俺達が安全な場所に行くのを待っているのかもしれねえな」
司と慧は瞳に意志を宿す。
『破滅の創世』の配下達と一族の上層部の好き勝手にはさせないと――強い意志を。
決して譲れない想いがあった。
一族の上層部が、緊急脱出装置を使用しようといることといい、何かを急いでいるのは確実だ。
ヒューゴ達と協同戦線、張っているという事実は、如実に一族の上層部に監視されていると考えてもいい。
だが、一族の上層部の最終的な目的が読めない。
「皆さん、これ以上は行かせませんよ! 私達にとって、奏多くんは大切な存在です!」
「……結愛!」
結愛は勇気を振り絞り、カードを使おうとして。
「此ノ里結愛さん。緊急脱出装置の発動には、あなたの協力が必要不可欠です」
「はううっ……」
一族の上層部の者達の妨害に、結愛はわたわたと明確に言葉を詰まらせた。



