「なっ……!」
リディアは一瞬、追いかけるべきか躊躇う。
だが、その迷った数瞬が明暗を分ける一線だった。
「奏多は絶対に死守するさ」
「奏多くんは絶対に守ってみせますよ!」
「奏多様は絶対に護るわ」
慧の確固たる決意に、カードをかざした結愛と観月は応えた。
「絶対に負けませんよ! 奏多くんは……『破滅の創世』様は絶対に護ってみせます!」
「結愛、敵に近づきすぎないようにね」
観月は警告しつつも、ありったけの力をカードへと籠めた。
「結愛、カードの力を同時に放つわよ!」
「はい、お姉ちゃん、ナイスです! グッジョブです!」
観月の提案に、結愛は表情を喜色に染める。
導くのは起死回生の一手。
観月と結愛は並び立つと、カードを操り、約定を導き出す。
「降り注ぐは星の裁き……!」
その刹那、迫り来る神獣達へ無数の強大な岩が流星のごとく降り注ぐ。
観月が振るうカードに宿る力の真骨頂だ。
「行きますよ! 降り注ぐは氷の裁き……!」
さらに氷塊の連射が織り成したところで、結愛は渾身の猛攻を叩き込む。瞬時に氷気が爆発的な力とともに炸裂した。
カードから放たれた無数の強大な岩と氷柱は混ざり合ってリディア達を突き立てようとするが、――全てが無干渉に通り抜けていく。
圧倒的な力量差の前に為す術がない。
「無駄だ」
「無駄じゃないですよ! 『破滅の創世』様の配下さん達の意識をこちらに向けさせることに成功しましたから!」
リディアが事実を述べても、結愛は真っ向から向き合う。
「私は最後まで諦めませんよ。だから、奏多くんは、絶対に護ってみせます……!」
『破滅の創世』の配下達にできた僅かな隙。今はそれでいいと結愛は噛みしめる。
慧達が、奏多のもとに行く猶予を作ることができたのだから。
「さて、ここからが踏ん張りどころだ」
司を始め、『境界線機関』の者達も相応の覚悟を持って、護衛を行っている。
最優先事項は奏多の身の安全――。
『境界線機関』の者達は今回、奏多を守護する任務を帯びている。
その守りは固く、そう簡単には隙は見せない。
防衛戦を仕掛ければ、十分に凌ぐことはできるはずだ。
だからこそ――
「悪いが、ここから先は行かせねぇぜ」
「不死のヒューゴ。おまえを逃がすつもりはない」
「……っ。しっこいねぇ」
颯爽と立ち塞がった慧と司の手際の良さに、ヒューゴは舌を巻いた。
リディアは一瞬、追いかけるべきか躊躇う。
だが、その迷った数瞬が明暗を分ける一線だった。
「奏多は絶対に死守するさ」
「奏多くんは絶対に守ってみせますよ!」
「奏多様は絶対に護るわ」
慧の確固たる決意に、カードをかざした結愛と観月は応えた。
「絶対に負けませんよ! 奏多くんは……『破滅の創世』様は絶対に護ってみせます!」
「結愛、敵に近づきすぎないようにね」
観月は警告しつつも、ありったけの力をカードへと籠めた。
「結愛、カードの力を同時に放つわよ!」
「はい、お姉ちゃん、ナイスです! グッジョブです!」
観月の提案に、結愛は表情を喜色に染める。
導くのは起死回生の一手。
観月と結愛は並び立つと、カードを操り、約定を導き出す。
「降り注ぐは星の裁き……!」
その刹那、迫り来る神獣達へ無数の強大な岩が流星のごとく降り注ぐ。
観月が振るうカードに宿る力の真骨頂だ。
「行きますよ! 降り注ぐは氷の裁き……!」
さらに氷塊の連射が織り成したところで、結愛は渾身の猛攻を叩き込む。瞬時に氷気が爆発的な力とともに炸裂した。
カードから放たれた無数の強大な岩と氷柱は混ざり合ってリディア達を突き立てようとするが、――全てが無干渉に通り抜けていく。
圧倒的な力量差の前に為す術がない。
「無駄だ」
「無駄じゃないですよ! 『破滅の創世』様の配下さん達の意識をこちらに向けさせることに成功しましたから!」
リディアが事実を述べても、結愛は真っ向から向き合う。
「私は最後まで諦めませんよ。だから、奏多くんは、絶対に護ってみせます……!」
『破滅の創世』の配下達にできた僅かな隙。今はそれでいいと結愛は噛みしめる。
慧達が、奏多のもとに行く猶予を作ることができたのだから。
「さて、ここからが踏ん張りどころだ」
司を始め、『境界線機関』の者達も相応の覚悟を持って、護衛を行っている。
最優先事項は奏多の身の安全――。
『境界線機関』の者達は今回、奏多を守護する任務を帯びている。
その守りは固く、そう簡単には隙は見せない。
防衛戦を仕掛ければ、十分に凌ぐことはできるはずだ。
だからこそ――
「悪いが、ここから先は行かせねぇぜ」
「不死のヒューゴ。おまえを逃がすつもりはない」
「……っ。しっこいねぇ」
颯爽と立ち塞がった慧と司の手際の良さに、ヒューゴは舌を巻いた。