以上です、と嘉正くんが発表を終える。

禰宜は少し目を見開いて感心したように息を吐いた。


「驚きました。というのも、あなた達の担任の先生から事前にどのような子達が来るのかを伺っていたんです。"問題児だけど優秀ですよ、うちの子たち"と聞いていたので、学生にしては優秀という意味で捉えていたのですが、それ以上でした」


思わぬ大絶賛に皆頬を赤くする。

薫先生、私たちのことそんなふうに評価してくれていたんだ。私も"問題児"と思われていたことは少しショックだけれど。


「素晴らしい考察です。広い視野で観察し結論まで導きましたね。ほぼ正解です」


やった、とみんなでハイタッチを交わして、すぐに「ほぼ?」と首を傾げる。



「はい、"ほぼ"です。なぜなら君たちは消去法によって結果を導きましたが、呪いだという証拠を見つけることは出来ませんでしたね。消去法でも間違いではありませんが、それでは99点になります」

「俺生まれて初めて99点なんて高得点取ったんだけど!」

「そうじゃないだろ泰紀」


嘉正くんの冷静なツッコミが入った。


「恵衣さん、答えて頂けますか」

「はい。見回っている中で校長室でこんな写真を見つけました」


恵衣くんはスマホを片手で操作して私たちに画面を見せた。その画面には額縁に飾られた写真が写っている。写真の中の人物は男性だった。頬がふっくらした笑顔の眩しい人だ。


「怪異が起き始める前の西院高校の校長です」


ええ!? こいつが!?と慶賀くんが目を剥いた。

恵衣くんにジロリと睨まれて首をすくめる。