約束した一時間後の少し前に下足場まで戻ってくると既に戻ってきていた恵衣くんが禰宜と何かを話していた。

同じタイミングで戻ってきた嘉正くんのチームと合流して軽く成果を話し合う。

しばらくして禰宜が振り返った。



「時間になりましたね。では集まってください。各々の見解を発表しましょう」



ぞろぞろと下足場の真ん中に集まる。



「では嘉正さんチームから発表しましょうか」

「はい。じゃあ代表して俺が」



手を挙げた嘉正くんが前に出ると、スマホのメモ画面を読み上げた。



「まず手分けして学校内を見回りました。力の弱い小鬼や浮遊霊の姿は確認できましたが、依頼人から聞いていた怪異を起こせるほどの力もない。住み着く妖のせいではないと思います。だとするともうひとつ考えられるのが、校内で祀られている御祭神の祟り。全ての神棚や火を扱う場所水回り、確認しましたがちゃんと手入れされお祭りされていて御祭神さまもいらっしゃいました。御祭神さまの祟りという線もないと思います。となると原因の怪異ですが妖でも祟りでも無いもの────第三者による呪いなのではないかという結論に至りました」