「私、皆とやりたい……かな。まだ色々不安もあるし」

「それもそうだよね。ならいつも通り俺ら五人で、恵衣は一人でやる?」


そうしよう、と皆が大きく頷く。

恵衣くんは「勝手にしろ」とだけ言うと、禰宜からマスターキーを受け取ってスタスタと歩いて行ってしまった。



「恵衣のやつ、黙って鍵持っていったんだけど!」


来光くんが目を釣りあげて遠くなった背中を睨んだ。


「まぁまぁ来光……ほら、とにかく行こう。来光と巫寿で東棟、俺と馬鹿二人で西棟ね。何か気づいたことがあったらグループトークで逐一共有して」


了解、と声が揃う。

じゃあ一時間後に、と軽く手を挙げて私たちはそれぞれ駆け出した。