下足場に入ると足を止めた禰宜が振り返った。
「さて皆さん、今回の依頼内容はしっかり頭に入れて来ましたね」
はーい、と皆が声を揃えた。
「ではまず、自分たちのやり方で良いので、一通り見て回って検討を付けてください。一時間後にまたこの場に集まって意見交換会としましょうか」
「はい禰宜! 質問です!」
「はい慶賀くん」
「調査は協力プレーでもいいんですか!」
「他の皆さんの意見も聞いて、それでもいいと仰ったなら好きにしてください。但し、昇階位試験の実技が個人かグループかはその日に発表されます。両方に慣れておいた方がいいですよ」
実技テストってグループの場合もあるんだ。てっきり自分一人で挑まないといけないと思っていた。
今年はどうなるんだろう。出来れば、というか絶対グループでの受験にして欲しい。
「みんなどうする?」
慶賀くんが振り向いて私たちの顔を見回した。
「俺どっちでもいいわ」
「俺も」
「僕は皆とやりたいかな」
口々にそう言い、視線は私と恵衣くんに向けられる。
ちらりと恵衣くんを伺うと、彼は迷惑そうに息を吐くと「俺は個人でやる」と顔を背けた。
予想通りの反応に思わず苦笑いを浮かべた。