自分の無知さが悔しかった一学期、自分の無力さを知った二学期。それから何もしてこなかった訳じゃない。
あの頃に比べたら少しは成長しているはずだ。
歩きながら慶賀くんが笑みを浮かべて振り返ると、握りこぶしを突き出した。
「吉祥宮司にさ! 元値で引き受けときゃ良かったって後悔させるくらい、完璧にこなそうぜ!」
ひひ、と笑った泰紀くんが自分の拳をそれにぶつける。
「だな! ギャフンと言わせてやろう!」
「使い方間違ってるし」
来光くんが呆れながらも同じように拳をぶつけた。
ほら嘉正と巫寿、と促され笑って頷き拳を突き出す。
「頑張ろう……!」
おう! とみんなの声が揃った。