予想外の反応にみんな目を点にする。
「ら、来光? お前、頭おかしくなっちまったか?」
「あははっ、大丈夫、おかしくなってない。だってあんなの笑わずにいられないでしょ! なんだよ"一昨日来やがれやなんやでぇ"って! めっちゃエセ関西弁だし!」
ひぃ、と目尻の涙を脱ぐった来光くんは「堪えるの大変だったよ」と息を吐く。
「な、なんだよぉ! 俺はお前のためを思ってだなぁ……」
「分かってるよ、ありがとう」
頬を赤くしてむくれた慶賀くんに、来光くんがパシパシと肩を叩く。
「にしてもアイツら何なんだ? 友達にしては嫌な感じだったけど」
「あんまりとやかく言いたくないけど、付き合い方考えた方がいいと思う」
二人の言葉に私も頷いた。
泰紀くんも言っていたけれど、親しき仲にも礼儀ありだ。友達とはいえ遠慮なしにあんなに強く叩いたり、変なあだ名で呼ぶのはあまりにもひどい。
「友達じゃないよ。ただの小学校時代のクラスメイト。……いや。"ただの"ではないか。"タチの悪い"クラスメイト」
来光くんのその言葉に、みんなの表情が曇る。