「それにしても、鼓舞の明って────」
「あれ、お前もしかして死神じゃね?」
来光くんが何か言いかけたその時、向かいから歩いてきていた学生服を着た同い年くらいの男の子五人組が足を止めてこちらに向かって声をかけてきた。
明らかに仲間うちの会話ではなく、私たちの方へ向けて発せられた言葉だった。
私達も足を止めた。
ヤンチャそうな五人の顔をよく見るも見知った顔では無い。皆も同じような反応をしている。
「やっぱりお前死神だよな!!」
「やべー! お前こんなとこで何してんの!?」
訳が分からず困惑していると、男の子たちが駆け寄ってきた。
驚いて一歩後ずさるも、彼らは私たちには見向きもせず一人に駆け寄る。親しげと言うには少し違和感がある感じで彼の肩に腕を回した。
「久しぶりやな死神! 今なにしてんの!?」
「何その制服だっさ! どこ高?」
「死神〜、何固まってんねん! 俺ら感動の再開やろ!」
目を見開き、顔を強ばらせた来光くんが彼らの顔を見回す。僅かに口が動いて微かな声で彼らの名前を呼ぶ。
彼らが死神と呼んだのは、来光くんだった。