「ええよ、巫寿ちゃん。興味あるなら見ていき」

「大丈夫なんか志らく」


千江さんが気を遣うように伺う。


「大丈夫大丈夫、お母さんかてよう言うてたやろ。弁当は一人分も二人分も大差ないて」



からからと笑って私の肩を叩く。

弁当……。

鼓舞の明を使うところを見れるのは嬉しいけれど、弁当って。



「ほなうちらは外でよか」



固まったままの恵衣くんの肩を押して千江さんは神楽殿から出て行く。

始めよか、と志らくさんが肩をぐるりと回した。