私達の奉仕が終わる時間は16時なので、19時の夕拝は参加したい人のみ参加する形になっている。
なので初日以降私と恵衣くん以外の四人は一度も参加していない。今日も奉仕が終わった途端、そそくさと街に繰り出した。
夕拝の用意を神職様たちと一緒に整えていると、神楽殿の入口がバタン!と勢いよく開く。
「ごめん残業で遅くなった! 三分で着替えるから!」
パンツスーツにパンプス、まつ毛をくるんとあげて真っ赤なリップを塗った志らくさんがゼェゼェと肩で息をしながらそこに立っていた。
「ごめ、やっぱ……十分待って……」
ゲホゲホとむせて膝に手をつく。
巫寿ちゃんこれ、と千江さんが呆れた顔で奥からペットボトルのお茶を持ってきて私に渡す。
急いで受け取って志らくさんに手渡すと、息絶え絶えにお礼を言ってほぼ一息で半分飲みほした。
「ありがとう巫寿ちゃん! みんなもごめんな、すぐ着替えてくるから!」
ずり落ちたバッグを肩にかけ直すと、志らくさんはバタバタと社宅へ走っていった。