酒屋の看板が見えた。



「ま、そんな感じで僕の地元でした〜……なんて」



来光くんは軽い口調で笑う。

「ほら、早く受けとって帰ろ」と酒屋の暖簾をくぐったその背中に、なんと声をかければいいのか分からなかった。