授与所では御守と御札の他に妖たちのための漢方薬なんかも授与される。現世では妖たちの医者が少なく、軽い病気程度なら神職が面倒を見ているからだ。

さらに妖は人よりも信仰心が強いので、祈祷の依頼がぐんと増える。


また、朝受付けた言霊の力が必要な案件も夜の神職が対応する。


とにかく遅番の神職はめちゃくちゃ忙しいんだとか。



けれど学校の規則によって一日八時間労働と時間が決められている私たちは、まなびの社のスタートが朝八時なので午後四時で奉仕は終わる。夕拝に参加する必要もなく遅番の仕事もない。

そこからは晴れて自由の身いうわけだ。


千江さんからは「もう高校生やしとやかく言わんけど、日付が変わる頃までには帰ってきや」とだけ言われている。

門限に縛られない生活にみんなが狂喜乱舞したのは言うまでもない。