「はいはい、まだまだあるから気ぃ済むまで食べな」


千江さんがどこか嬉しそうに私たちにそう声をかける。

ゲホゲホとむせながらありがとうございます!と皆が頭を下げた。



「にしてもええ食いっぷりやなぁ。この子ら帰る頃にはうちの社潰れるんちゃうか」

「嫌やわお父さん、縁起でもないこと言わんときよし」



晩酌を始めた吉祥宮司がもう早速赤い顔をさせて楽しそうにそう言う。千江さんは呆れたように息を吐いた。呆れながらもその顔は優しい。

それだけで二人がとても仲の良い夫婦なんだと分かる。



「……なぁなぁ巫寿! まなびの社ってもしかして超大当たりなんじゃね?」


口いっぱいにご飯を詰めた慶賀くんがそんなことを耳打ちする。

確かに社の立地も良く、規模もそこそこ大きい。仲のいい宮司夫妻に少し癖は強いけれど優しそうな神職さまたち。それに私達のことをこうして歓迎してくれる。

初めての神社実習だけれど、恵まれた環境なのはよく分かる。


だね、と小声で返事をするも、慶賀くんはチキンに夢中になっていた。