「そうだ巫寿ちゃん。4月3日って何か予定ある?」
そう尋ねられて目を瞬かせた。
4月3日?
実家に帰ったら恵理ちゃんと遊ぶ予定ではあるけれど、これといって大きな予定はない。
「特に何もないです」
「ほんと? だったらうちの社の行事を手伝って欲しいんだけど、どうかな?」
社の行事?と聞き返す。
「なかなか楽しい行事だし巫寿も来いよ!」
瑞祥さんも行くんだ。二人は幼馴染だから社同士の交流も盛んなんだろう。
特に断る理由はないので二つ返事で引き受ける。
「ありがとう、助かるよ。女の子が沢山いないと成り立たなくてさ。また後で詳細送るね」
「一緒に頑張ろうな巫寿! ……あ! なぁなぁ聖仁、実家帰る前にクレープ食べて帰ろうぜ〜」
仲良く車に乗り込んでいく聖仁さんに瑞祥さん。
"女の子が沢山"ってどういうことだろう……?
首を傾げていると、階段を降りてくる人影が見えて「あっ」と声を上げる。その人も私に気がついて「あ……」と呟く。
「恵衣くん」
私の前まで歩いてきた恵衣くん。
肩には大きなボストンバッグを下げている。