奉仕報告の儀が終わるとそのまま私たちの歓迎会が催された。神職の社宅に使われている二階建ての建物の二階、広い居間のテーブルに所狭しと並べられたジャンクフードや洋食の数々に私たちは目を輝かせる。
「毎年学生さん来る度にホンマにこれでええんか思うけど、みんな同じように目ぇ輝かせて喜んでくれはるから安心するわ」
慣れた手つきで私たちのコップにサイダーを注いでいく千江さん。そのサイダーにも感動していると、権宮司がブホッと吹いた。
神修の食事は三食和食。肉料理も出てくるけれどみぞれ煮だったり照り焼きだったり、洋食が出てくることはない。和食が好きな私ですら二学期の中頃には音を上げた。
さらに学生のほとんどが実家はお社、もしくはどこかのお社の社宅に家族で住んでいる。年配者の多いこの界隈では自然とどこでも精進料理のようなメニューばかりになる。
だから神修の学生は常に油っこいもの、肉、麺にとても飢えている。
頂きますと皆の手が延びるタイミングはほぼ同じだった。
スパゲッティのトングの取り合いにそっちのハンバーグの方が大きいいや俺が先に取ったから俺のものなんて不毛な争いが各所で発生する。