「じゃあまず嘉正と来光ね。うん、間違いなく合格圏内。嘉正は来年から直階三級で来光は直階四級だ。おめでとう」
うしっ、とガッツポーズをした嘉正くんと来光くんに私たちは控えめに拍手を贈る。
ちなみに恵衣も合格してるよ、と付け加える。どうやら昨日私たちが泥のように眠っている中、恵衣くんはちゃんと結果を聞きに行ったらしい。筆記も実技も文句なしの満点合格なんだとか。
今日もちゃんと遅刻せずに出席しているし、もう流石は恵衣くんとしか言えない。
「次、巫寿ね」
名前が呼ばれてドキッとした。
何となく一番最後に発表されると思っていたのだけれど、「一番ハラハラする結果は最後の方が面白いでしょ?」と笑う。
一部からひでぇ!と批判の声が上がっていた。
「巫寿も合格。出仕の筆記テストは満点だったし直階も九割近く取れてたよ。実技も合格してるから、来年から直階四級だ。頑張ったね」
思わずポカンとしていると、おめでとう!と両隣から肩を叩かれて我に返った。
合格、合格したんだ私。
じわじわと実感が湧いてきてやがて胸の中いっぱいに喜びが溢れる。ぎゅっと拳を握りしめてそれを噛み締めた。
ずっと自信が持てなくて、クラスメイトの一歩後ろにいるように感じていた。けれどこれでやっと、堂々とみんなの隣で胸を張れる気がする。