トラブル?

何か問題でも起きたんだろうか。だから神職さまたちがなかなか戻ってこなかったの?


「何かあったんすか〜?」

「詳しくはお伝えできませんが、近隣の社から応援要請があり、たまたま近くにいた我々が向かうようにと本庁から連絡がありました」


近隣の社から応援……。

地域に根ざした社は神職が常に不足している。だから対応しきれない案件があると本庁に応援を要請し、ほかの社から手の相手いる神職を手配してもらうことが出来る。

つまり社の神職では対応しきれないことが起きてしまったということだ。


「すでに僕以外の神職が全員向かってますので、心配には及びません」


それを聞いてホッと息を吐く。

既に神職さまたちが向かっているなら安心だろう。


「じゃあ待ってる間トランプしようぜ!」


天井の木板を押し上げた泰紀くんが隠していたトランプと瓶に入った金平糖を取り出す。

あれ、その金平糖って薫先生のなんじゃ……まぁいいか。


「何やる?」

「一旦七並べと大富豪して、そっからスピードのトーナメント戦やろうぜ」


賛成〜、と皆が輪になって座る。

相変わらず恵衣くんは一人隅っこで静かに本を読んでいた。