「おっ巫寿も帰ってきた! お疲れ〜」
「どうだった? 上手く行った?」
戻ってくると既に車には嘉正くんと恵衣くん以外のみんなの姿があった。
「合格出来たよ……! みんなは?」
僕らもバッチリと親指をグッとたてた来光くん。やったね、とハイタッチを交わした。
皆の傍に腰を下ろした。
「その様子じゃ巫寿ちゃんもサクッと終わらせてきたみたいだね」
「もしかして三人も?」
「うん。思ったよりも簡単で拍子抜けしたよ」
やっぱり簡単だと感じたのは私だけじゃなかったんだ。
「まぁ俺ら空亡の残穢だの牛鬼だの、ヤバいのと散々戦ってきたしなぁ」
「あはは、確かに」
思えばこの一年間、習った祝詞じゃ通用しない相手ばかりと戦ってきた。
実技試験は習ったことからしか出題されないって薫先生も言っていたし、必要以上に怖がりすぎたのかもしれない。
「でも嘉正と恵衣が遅いのは変じゃね?」
「確かに。あの二人なら一番乗りで戻ってきそうなのにね」
「手こずってんじゃねぇの? 戻ってきたらからかってやろ〜」
けけけ、と悪い笑い方をした慶賀くんにやれやれと肩を竦める。
それにしても、確かにあの二人が一番最後なんて少し妙だ。何かトラブルでもあったんだろうか、と少し不安になる。
「恵衣だけが落ちて俺らが受かるとか超おもろいんだけど〜!」
「地球が反対周りを始めてもそれだけはないから安心しろ」