「どうか、自分を一番大切にしてな。困った時は一人で抱え込まずに周りを頼るんや。私も、絶対力になるからな」

「はい……!」


ええ返事、と笑った志らくさんは勢いよく私の背中を叩く。痛いですよ、と唇をとがらせれば「喝入れたんや、喝」とケラケラ笑った。

芽さんのことや先日現れたあの女の人が言った言葉……正直不安な事は沢山ある。

でも私の事を思ってくれている人がいる、支えてくれる仲間もいる。

それを思うと不安な気持ちは幾分か軽くなった。



出発の直前に千江さんは新幹線で食べる用のお弁当を私達に持たせてくれた。

「駅弁買うしいいよー」と言った慶賀くんは「恩知らずな子やね!」と頭を叩かれていた。

一人一人に挨拶をして、鳥居の下に立った。


「それじゃあ、お世話になりました!」


声を揃えて深々と頭を下げる。

そうして三ヶ月に渡る神社実習は幕を閉じた。