「────あんたら〜! 晩御飯できたで!」
ご褒美に与えられた休暇はあっという間に終わり、神社実習も最終日になった。
夕方、男子三人部屋に集まって人生ゲームをしていた私達は、階下から千江さんがそう叫ぶ声に顔を上げた。丁度最下位になった慶賀くんの借金を数えているところだった。
あからさまに「助かった」という顔をした慶賀くんが「終わり終わり!」とボードを片付け始める。
そんな姿にくすくす笑いながら残りを片付け、皆で居間に顔を出す。
「うっわー! すげぇ! パーティじゃんパーティ!」
「めっちゃ豪華じゃん千江さん!」
机の上に所狭しと並べられた料理の数々に声を上げた。
「ほらほら、立っとらんとはよ座り」
お盆の上に別の料理をのせた千江さんが台所から忙しなく出てきた。
はーい、と返事をしてぞろぞろとみんな席に着く。
「そうや、誰か恵衣くん呼んできてくれへん? 社務所で留守番してると思うから」
「あいつ最終日まで奉仕してんのー?」
「普通は最終日まで奉仕するもんや」
千江さんのツッコミに思わずプッと吹き出す。
私呼んできます、と名乗り出て立ち上がった。