報告書を最後まで目を通し、その後は今回の件を振り返って再発防止や発生抑止の対策について話し合う。道徳の授業みたいだな、なんてこっそり思っていた。

話し合った事を代表して嘉正くんがまとめてくれて、ファイルの原本に新たに差し込む。


「これを本庁へ提出すれば、任務完了ということになります。皆さん本当によく頑張りましたね。お疲れ様でした」


禰宜が笑って拍手をすると、周りからもパラパラと拍手が聞こえてきた。いつの間にか会議室にはほかの神職さま達も集まっていた。

お疲れさん、と宮司が私達の肩を叩き、本当にこれでようやく終わったんだと自覚が湧いてきた。

首をめぐらせて皆と目を合わせた。皆少しぽかんとした後、照れくさそうに笑ってお互いの二の腕を突き合う。



褒められるって、なんだか変な感じだ。

これまで散々危ない事に関わってきた。その度に沢山怒られては自分たちの無力さを痛感してきた。

けれど今回は、自分たちが今持っている力でできる限りのことをした。その結果、解決に導くことが出来た。


その事実が堪らなく嬉しくて、妙に気恥ずかしくて、凄く誇らしかった。



「ご褒美と言っては何ですが、この後から実習が終わる日までを休暇にする許可を宮司から頂きました。と言っても残り数日ですが」


休暇? と皆の声が揃う。

休暇、休暇……。

また皆と目が合ってみるみる表情が輝いていく。


「よっしゃーッ!」

「宮司サイコーッ!」