ああ、分かる。リズムが分かる。
鼓舞の明に刻まれたリズムって、こういう事だったんだ。
その人自身が鼓舞の明にどんなイメージを見出すか。それによってどの型を強くするか早くするかは全く異なってくる。
お母さんのように優しく慈しむような踊りでも、志らくさんの力強く弾けるような踊りでもない。
私の鼓舞の明は光、時に強く時に優しくみんなを照らす光だ。
春の日に木漏れ日が枝から差すようにゆっくりと優しく、真夏の日差しのように鋭く強く、冬の日の雪を照らすように細く滑らかに。
お腹のそこがぶわりと熱くなる。全身に力が溢れてくる。気持ちが昂る。光の中心にいるみたいだ。物凄いエネルギーが私を中心に渦を巻いている。
溢れるエネルギーを発散させるように舞に込めた。
この力で恵衣くんと来光くんを、皆を守るんだ。
「凄い……これが鼓舞の明……」
来光くんが目を丸くして自分の両手を見比べた。何かを感じとっているらしい。
「おい来光! 行けるか!?」
恵衣くんがそう叫んだのが聞こえた。
「もちろんバッチリだよ! 120パーセントの力で書ける!」
筆を取った来光くんが紙に文字を描く。
来光くんを、光で照らすんだ。