ノブくんの腕を引っ張りあげた。起き上がったノブくんの胸にトンと拳をぶつける。


「大丈夫。絶対に助けるから」


赤くなった鼻を啜ってノブくんが少しはにかむ。

ごめん、それからありがとう。

そう続けられた小さな声はしっかりと私たちにも届いた。


「おい、感動の和解は後にしろ。時間がないって言ってんだろ」


水を差すそんな声に私たちはハッと我に返る。

外の様子を伺っていた恵衣くんが険しい顔で振り返った。