御札は一度外せば効果は発揮されない。だから厄除けの札を既に身体に張っている恵衣くん、来光くん、私の三人が名乗り出た。
外に残る三人には、宮司たちが合流した時に直ぐに中へ入れるように外に溢れている残穢の修祓を任せている。
『あくまで救出がメインです。しかし生存確認が出来なければ遺体は回収せずすぐにその場から撤収してください。あくまでも第一優先は自分の身の安全、その次が仲間の安全です。決して無茶な事はしてはいけません』
禰宜は私たちにそう言った。
遺体、という単語に来光くんは一瞬泣きそうな顔をしてすぐに表情を引き締める。
そうだ、今は泣いている場合じゃない。私達が今しなければならないのは、一刻も早くノブくんを探し出すことだ。
「闇雲に探しても埒が明かない。オトモダチならアイツが行きそう場所とか心当たりは無いのか」
恵衣くんの問いかけに来光くんは少し考え込み力なく首を振った。
「全く分からない」
「よくそれで友達だと言えたな」
「喧嘩別れして四年近く会ってない友達の頭の中なんて分かるんけないだろ!?」
ああ、もう。何ですぐに喧嘩になるんだろうこの二人は。
頭を抱えたくなる気持ちを抑えて「今は喧嘩してる場合じゃないよ……!」と窘める。