「誰か宮司に連絡して!」

「わ、分かった!」


すかさず懐から形代を取りだして何かを書き留めた来光くんは、その紙にフッと息を吹きかける。

ポンッと音を立てて来光くんと同じ背丈に膨らんだそれは本殿へ向かって駆け出した。

形代操術の授業は二年生の科目なのに、いつの間にマスターしてたんだろう。


「お前そんなんいつマスターしたんだよ!?」

「試験近いんだし、何にもせずに引きこもる訳ないだろ!」


ちょっと誇らしげにそう言った来光くんの背中を「やるじゃねぇか!」と皆が叩く。


「追いかけるよ!」


おう、と皆の声が揃い勢いよく駆け出した。