「まなびの社は有名なお社なんですか?」
手を挙げて質問すれば、薫先生は「うーん、ある意味有名かな」と意味深な言い方をする。
ある意味有名?
一体どういうことだろう?
「まなびの社は────先代の審神者さまのご実家だからね」
先代の審神者、ほだかの社で見たアルバムの中の志ようさんが脳裏に浮かぶ。
なぜだろう、急に胸が騒ぎ出す。
「あはは、そろそろ静かにして〜。はいはーい、先生に注目!」
手を打った薫先生を皆が見上げる。
「という訳で、君らには"まなびの社"へ神社実習に行ってもらうよ。昇階位試験前の大事な二ヶ月、しっかり実技を学んでおいで〜」
ほだかの社で見たアルバム、まなびの社での神社実習、先代の審神者志ようさんが幼少期をすごした社。
胸がざわざわする。
パズルのピースがひとつずつはまっていくような、物語の筋道を辿っているような、敷かれた線路を歩いているような、そんな気がした。