そして二時間後、時刻が丑三つ時に差し掛かった頃にやけに周りが静かな事に気がついた。
パッと顔を上げると慶賀くんと泰紀くんが後ろにひっくりかえって眠っている。嘉正くんですら少し眠そうに目頭を抑えては欠伸をこぼす。
仮眠を取ったとはいえ普段なら眠っている時間、昼間は色々あって疲れているだろうし仕方ない。
私も頬を叩いて気合を入れて何とか意識を保っているような状況だ。
「慶賀泰紀、起きて。一応僕達は待機組なんだから、ひっくり返って寝こけるやつがあるか」
来光くんにおでこを弾かれた二人が「フガッ」と変な音を立ててのそのそ起き上がった。
「やっぱりこれだけの条件が揃ってても絞り込むのは難しいね」
ふぅ、と息を吐いた来光くん。
「呪い関連の授業が始まってたら良かったんだけどね」
「あーあ、悔しいなぁ。禰宜たちもそろそろ終わった頃じゃね? 帰ってくるまでには俺達で突き止めたかったのにな〜」
「半分以上も寝てたヤツが僕らと同じレベルで悔しがるなッ!」
欠伸をこぼした慶賀くんにすかさずそう噛み付いた来光くん。
そんなやり取りにくすくす笑いながらスマホの画面を叩く。23時から動き始める作戦だったからもう2時間は経った。そろそろなにか動きがあってもいい頃合だ。
何かあった時は社務所で待機している宮司か志らくさんにに連絡が来ることになっている。