それにしても骨董品ならまだしも人毛や動物の皮、生きた小動物や虫なんかも媒介に使用されると思うとゾッとする。
二年生から呪いの授業が本格的に始まるけれど、行く行くは自分もそういうのを使って呪いを発生されるのだろうか。
そんな事が脳裏をよぎりブンブンと首を振った。
駄目だ、今は深く考えないでおこう。
「その辺のものを媒介にする呪詛を調べてみようか」
来光くんの提案に「分かった」と頷く。
返事はないものの本に手を伸ばした恵衣くんもちゃんと協力する気はあるらしい。
「恵衣その本取って」
「自分で取れ。そんなことも出来ないのかお前は」
「人が頼んでるのに何その態度!?」
「だったらそれが人にものを頼む態度か?」
前言撤回。この二人、いい雰囲気でもないし相性も良くない。
ダメだこりゃ、と額に手を当てて深く息を吐いた。