ノブくんが犯人で間違いないのなら、今夜ノブくんは何か動きを見せる。そこを止めに入ることが出来れば、この一連の騒動は解決するはずだ。
禰宜は私達を見渡した。
「この件に関しては呪いの規模がかなり大きく、かなり難易度の高いものになるでしょう。ですからまだ学生である皆さんを修祓に向かわせることは出来ません。今回はまなびの社の神職で対応します」
やっぱりそうなったか。
皆と何となくそうなるだろうと話していたけれど、実際に言われると少し落ち込む。
初めて神職として担当した案件だったから、やっぱり最後までやり遂げたい気持ちはあった。
でも身の丈に合わない敵に挑むことの危なさや恐ろしさは私たちが誰よりも理解している。
皆残念そうだけれど、素直に「はい」と頷いた。
「もちろん成績にはそれ相応の評価を書かせて頂きますのでご安心ください。本当に君たちはよくやりましたよ」
微笑んだ禰宜は来光くんの肩を叩くと、足早に社務所を出て行った。
「これにて一件落着か〜。でもなんかスッキリしねぇな」
伸びをした慶賀くんがそうこぼす。
「文句言っても仕方ないよ。神職さまたちに任せて、俺らは午後のお勤めに戻ろう」
そうだねと頷き、私たちは制服を着替えるために二階の会議室へ歩き出す。
「来光くん?」
報告書をじっと見つめる来光くんの背中に声をかけた。
「ああ……うん。後から行く」そんな生返事が帰ってきて、少し引っかかったけれど先を行く皆を追いかけた。