「────ということから、一連の騒動の犯人は西院高校の学生である三好正信が呪者、動機は長年のいじめによる怨恨。呪いの種類は特定出来ていませんが、非能力者であることからものを媒介にした呪いです」


調査が許されていた昼休みが終わり、私たちは社へ戻ってきた。

戻るなり来光くんはすぐさま社務所にいた禰宜に、昼休みにあった事と犯人がノブくんであることを報告する。

一通り話を聞き終えた禰宜は難しい顔でひとつ頷いた。


「なるほど、分かりました。皆さんよくここまで調べることが出来ましたね。これまでの皆さんの報告書と今日の調査結果を鑑みて、私も来光さんと同じ見解です。事態は一刻を争います。今夜対処しましょう」


帰りのバスの中で来光くんから聞いた話を思い出す。

来光くんはノブくんが犯人であること、そして今晩必ず動きがあることを私たちに説明してくれた。


『実はさ、最後に質問した時ノブくんに鎌をかけたんだ』


バスに揺られながらそう言った来光くんにみんなが仰天する。


『お前よくそんなこと出来たな!? あの来光が!』

『あの状況ですげぇな! あの来光が!』

『どの来光だよッ!』


みんな静かに、と苦笑いで仲裁する。


『あえて犯人像をノブくんに教えることで、自分が犯人だって言わせたんだ』


来光くんとノブくんのやり取りを思い出してみる。けれどやはりどの発言が犯人だという証拠に繋がったのかが分からない。