禄輪さんのアルバムを思い出す。写真に写る「かむくらの神職」は50人以上いた。そのほとんどが今は亡き人達。お父さん達と同じくらいの歳の人達だった。もっと若い人もいた。
改めて、空亡戦がどれほど多くの犠牲を払って集結したのかを思い知る。傷は今もなお癒えることなく深く残っている。
私たちは、そんな中今神修で学んでいる。きっと毎日の学びには、自分が思っている以上の意味があるはずだ。
「……帰ったらさ、呪いについて自主勉会開く?」
普段なら絶対にそんな提案はしない慶賀くんの申し出に、からかう人はいなかった。
「さくっと終わらせて、ちたァ真面目に勉強するか!」
「おう!」
拳をぶつけあった二人に小さく笑う。遅れて私達も「おー」と拳を掲げた。
そうと決まれば、と駆け出した慶賀くん。お前らも早く来いよー、と振り返る。
「慶賀くん、前見てないと────」
危ないよ、と言い切る前に階段に差し掛かり、降りてきた誰かと正面からぶつかる。
その勢いで尻もちを着いた慶賀くんに皆は呆れた表情を浮べる。
「ごめん前見てなかった……ってお前!」
同じようにぶつかった衝撃で相手も尻もちをついたらしい。こちらからは壁で見えないけれど、慶賀くんは顔を知っていたらしくバッと指を指す。
「お前ノブくんじゃん!」
思わずえっ、と声を上げる。パッと振り返ると来光くんが目を見開いていた。