ほんとにお前らは、と呆れつつもしっかりカツカレーを頬張っている嘉正くんに笑いながら辺りを見回した。

綺麗な学生食堂だ。何度か皆でみた学校のパンフレットには二年前に改装工事をしたと書いていた。二百席くらいはありそうで、揉めることなく皆が席に座って昼食を楽しんでいる。

窓から太陽の光が差し込み室内全体によく光が行き届いている。清掃も毎日こまめにされているのがよく分かる。

そして何より居心地が良い。着工する前の地鎮祭で土地を清めた効果がまだ続いているんだろう。


「ここは関係なさそうだね」


来光くんも同じことを考えていたらしい。


「だね。────あれ、来光くんは和食なんだ」


トレーの上に乗った焼き鯖定食に首を傾げる。

来光くんは苦笑いを浮かべて首をすくめた。


「千江さんの料理すごく美味しいんだけど、七分の五も洋食だとね」


そんな言葉に思わず吹き出す。


「巫寿ちゃんもでしょ?」


私のわかめうどんを指してにやりと笑う来光くんに、今度は私が首をすくめた。