「うっひょ〜、何これ超うめ〜!!」

「一口も〜らいっと!」

「あっ、おいこら泰紀! お前のひと口デカいんだよッ!」


がやがやと賑わう食堂の末席、ハンバーグを奪い合う二人に嘉正くんは頭を抱えた。


「いいから早く食べなよ。時間無くなっちゃうだろ」


息を吐いた嘉正くん。


「わーてるよ! でもこれだって立派な調査だぞ!」

「そうだそうだ。食堂のメニューに不満があるやつが、呪いを生み出したのかもしれねぇからな〜」

「んなわけあるかッ!」


来光くんの鋭いツッコミが入る。

くすくす笑いながら、私も自分のわかめうどんに箸を伸ばした。

何故私達が学食でしかもお昼ご飯を食べているのかと言うと理由は簡単だ。

校舎へ入ってすぐ、カレーやお出汁のいい匂いに気付いた慶賀くんが「あっちが怪しい!」と満面の笑みで引っ張ってこられて今に至る。

もちろん恵衣くんは「ふざけるな!」と眉を釣りあげて一人別行動をしている。


まなびの社のお昼ご飯は13時から手の空いた時に各自でとる事になっている。社を出発したのは12時前だったので、まだお昼ご飯を食べれていなかった。

確かに私もお腹は空いていたけれど、流石にこれは気が抜けすぎなのでは……。


そう思いつつちゅるりとうどんをすする。関西なだけあってお出汁が透明だ。透明なのに凄くしっかり味がついている。

美味し、と心の中で呟き「駄目駄目、今は仕事中なんだから」と自分に喝をいれた。